Carmen – Là-bas, là-bas, dans la montagne (Bizet)
二重唱 メッツォ・ソプラノ エマ・カルヴェ、テノール シャルル・ダルモーレス(管弦楽伴奏)
前の「花の歌」に続いて、直ぐに歌われる部分で切なる胸の中を述べたこの歌にカルメンは、本当に愛しているならば二人して山へ逃げて自由になろうとホセを誘惑するところである。このレコードは1908年アメリカに於ける録音である。
カルメン
いいえ、お前は私を愛してやしない。もし愛していたのなら、私と一緒に山へ逃げる筈だもの。
ホセ
カルメン。
カルメン
本当に少しでも愛しているのなら、いつでも一緒に居る筈よ。ラッパが鳴ったからと言って二人を割く力なんかありはしない。
ホセ
カルメン。
カルメン
あら、本当? 一緒に山へ行くの? あたしを愛しているのなら、一緒に行くでしょう。
ホセ
いや、いや。俺はお前の言うことを聞いちゃ居られない身の上なんだ。軍規に背いて・・・・・脱営。・・・・・そんなことは不名誉だ。恥辱だ。駄目だ・・・・・。