Carmen – Seguidilla (Bizet)
メッツォ・ソプラノ独唱 エマ・カルヴェ(ピアノ伴奏)
この有名なセギディーリャは、言うまでもなく第一幕の終わり近くで歌われるもので、後ろ手に縛った彼女の見張りに一人置かれたホセに対して、カルメンが秋波を送りながら
セヴィールの町はずれのリリアス・パスティアの所へ行ってるわ。あすこで面白いセギディーリャを歌ったり、マンザリニャを飲んだり。ね、あのリリアス・パスティアの酒場で。でも一人だけではつまらない。
と歌うのが、この曲である。
このカルヴェのレコードは実に1902年にロンドンで吹き込まれたものであって、原盤はベルリナーの初期茶褐色の円盤レコードであった。当時のカルヴェは未だ36歳の盛の時代であったのである。