Charles Dalmorés (テノール)
1871年12月31日フランス・ナンシイに産まる。
1939年12月6日アメリカ・カリフォルニア州ハリウッドに死す。
このフランスの名テノール歌手は、本来歌い手ではなかった。彼が生地ナンシイの音楽院で学んだものは、フレンチ・ホルンの吹奏であり、次いでチェロであった。ホルン奏者としてナンシイの町からパリ音楽院に留学させられ、ここでも一等賞を勝ち得た。卒業後暫くコロンヌ及びラムルー管弦団の一員となり、次いでリヨン音楽院の教授に任命された。
彼が声楽を学び始めたのは、丁度この頃のことであって、1899年ルワンの歌劇場にテノール歌手としてのデビューを行った。その成功は直ちにブリュッセルへの契約となり、更にロンドンのコヴェント・ガードゥンに招聘されて、カルヴェ夫人と共に「カルメン」を歌った。1906年アメリカに招かれて、ニューヨークのマンハッタン歌劇場に出演、1910年以後はシカゴ・オペラの一員となった。
バイロイト、ベルリンでワーグナーを歌ったこともあるが、そのフォルテは勿論フランス歌劇にあった。彼のレコードはそれ程多くない。この集ではカルヴェ夫人との二重唱に彼を偲ぶことが出来るであろう。