第295回 蓄音器でレコードを楽しむコンサートのご案内

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ベートーヴェン 交響曲第4番 変ロ長調 作品60
トスカニーニ指揮 BBC交響楽団
録音 1939. 6. 1 ロンドン クィーンズホールにて
レコード盤 米国ビクター 16333A/B – 16336A/B 4枚組8面
第1楽章 Adagio 変ロ長調(実質は変ロ短調)4/4拍子 – Allegro vivace 変ロ長調 2/2拍子
ソナタ形式(提示部反復指定あり)。暗い雰囲気の序奏から盛り上がり、主部に入ると一転して軽快な音楽が続く。注意して聞いてみると、開始部の序奏の音形進行は、第5番の開始の音形進行と同じなのが聞き取れる(第4番はG♭-E♭-F-D♭、第5番はG-E♭-F-D)。また、第2主題提示前から頻繁に提示されるシンコペーションが効果的に使われており、このモチーフを使って提示部反復用に書かれた14小節はベートーヴェンの交響曲中最長である。また、2拍子の特長を生かし、全音符や2分音符が比較的多いことも特筆される。
第2楽章 Adagio 変ホ長調 3/4拍子
展開部を欠くソナタ形式。クラリネットによる息の長い旋律が特徴的。第2主題もクラリネットによりどこかもの悲しく提示される。これが第1主題の動機に打ち消されて再現部に入る。再現部は型どおりにはならず、展開部がないのを補った劇的なものになっている。
第3楽章 Allegro vivace、トリオ(中間部)はUn poco meno Allegro 変ロ長調 3/4拍子
複合三部形式。スケルツォであるが、楽譜にはスケルツォと明示されていない。全体は複合三部形式ではあるが、そのあとでトリオ全体と縮小された主部が繰り返されている。
第4楽章 Allegro ma non troppo 変ロ長調 2/4拍子
ソナタ形式(提示部反復指定あり)。16部音符の速い旋律が全曲を駆け回る。ファゴットによる主題の再現は難所。

それでは、お楽しみください !

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