Kumamoto Gramophone

からたちの花 山田耕筰作曲

日本人の心に染み入る名旋律を聴く

来日演奏会を機会に日本のレコード会社に録音を残した西洋の大家は結構たくさん居る。ピアノのクロイツァー、シロタ、コルトー、ギーゼキング。ヴァイオリンではブルメスター、ジンバリスト、エルマン、モギレフスキー。歌ではクララ・バット、それにチェロのマレシャル、フォイアマンなど。このエマヌエル・フォイアマンは 1933 年と 35 年に来日し、日本コロムビアにレコードを残していった。

海外演奏家による日本作品の多くの演奏の中で、モイーズとフォイアマンのものは、そのアレンジや解釈の面で、真に日本人受けする演奏である。これらは、世界に向けて発信できる芸術品に仕上がってゐる。

山田耕筰の「野薔薇」「忍路高島」と、ヴァイオリン用に編曲した「荒城の月」「からたちの花」をチェロ用に再度アレンジしたものの4曲を聴くことができる。コロムビアのスタジオでフォイアマンの録音セッションを見学していたチェリストの細井は、スタジオで初めて楽譜を渡され、さっと弾いて見せた後、「この旋律は、細かい装飾音符をうまく弾かないと曲が生きてこないね」と言って、伴奏者と2、3回合わせているうちに、すっかり日本の民謡の感じを自分のものにしてしまった一部始終を目撃している。