2013年9月19日

ファッショナブルな冒険心 男の代わりに美女が犯人に挑む。グレース・ケリーとヒッチコックの映画『裏窓』

[icon name="icon-film"]特撮はリアルな恐怖感を与えない 数年前に映画館で観た時には、はっと息を呑む映像だったのがDVDで観たり、テレビ放映のハイビジョンで観るとCGが作為的に感じられて興ざめすることがありませんか。 ヒッチコックのサスペンス映画『裏窓』は昭和29年夏にアメリカ公開、日本は翌30年のお正月映画でした。 当時映画館の入り口を飾ったスチール。映画情報誌もまだまだ高い買い物だったでしょう。豪華な作りの月刊誌はステイタスでもありました。 通りを行く人が上映作品に夢を馳せる助けになったのがこうしたスチール。ジェームス・スチュアート、グレース・ケリーと監督アルフレッド・ヒッチコックが一緒に写った演技指導の風景でしょうか。 こうしてみると、アパートはセット。向こうの景色は書き割りだと感じるのですが映像では自然な光を浴びている。 CGで描かれた世界も、いずれはヴァーチャル感のないものになるのでしょう。 昭和29年には、暮れに東宝映画『ゴジラ』が公開されました。3月にビキニ島の核実験があって第五福竜丸事件は日本人にとって衝撃となったことでしょうが、アメリカも日本も新たなる世界への冒険に胸を熱くしていた時代だったでしょう。世界を旅行する番組が毎週放送されて視聴率が良かったのは、そう言う時代の象徴だったのではないかとも思います。 [icon